ロボエッグとのマッチングが行われる際に支給されるものがある。
「シンクロピアス」である。
文字通りピアスのように耳に取り付けるものだが、外科手術(ピストル型の手術用具)によって耳に打ち込まれるため取り外すことはできない。
これはロボエッグとの物理的接続として用いられるもので、ロボエッグの機能を利用したスキル発動の際、使用される。
具体的な例で説明すると「見た目だけでなく、内面も投影した形で相手が見える」というものがある。
人間は、眼球によって得られた視覚情報を脳内で処理し「視ている」ため、表面的なものしか見ることができない。従って、「美人」や「ハンサム」「好感度」などの情報はそのほとんどを「見た目」のみで判断している。しかし、ロボエッグの視野とのシンクロを行うことにより、外面的要素だけでなく、内面的要素を加えた視覚情報として脳に投影されるのだ。
これはロボエッグの視覚で得られる情報によるものだ。ロボエッグは表面的なものだけでなく、熱量や生体反応その他多岐に渡る。その中で人間のエナジウムを色彩で判別する機能が備わっている。
人間界でいえば「オーラ」と言われるものに近い。その色彩により、その人間の資質や現在の精神状態、行動予測などがある程度できるのだが、ロボエッグ自体はその色彩を見ることができても、良いものなのか悪いものなのかなどの「人間視点」での判断ができないのだ。
唯一できるのが、自分および自分のシンクロ対象者に向けられる「敵対的感情」だけである。これは危機回避という点から備わっている根本的能力なのだが、そのほかの感情的な動きについては理解できない。
これを補完することができるのが、シンクロピアスによる人間との情報共有なのである。
シンクロピアスにより相互シンクロすると、人間は自分の視覚情報にロボエッグの視覚情報がプラスされ脳に伝わる。
例えば、男性が女性を見たとき、自分好みの外見なら「美人」と判断するものに、ロボエッグの情報により、その相手の内面情報が加味され脳で処理されると、「外面もよく内面もよければ、より美人に」「内面が普通ならばそのまま」「内面がブスだと醜く」処理されたものを脳を通して「視る」ことになるのだ。
しかし、これはとても脳に負担をかけるので常時処理をしていると脳が疲弊してしまい危険なので、一般人(エナジウム量が普通の人)はファーストコンタクトの時などにだけ使用することとされている。
だが、特捜警務隊の一部隊員では、この索敵能力を常時発動している強者がいるという都市伝説もあるのである。





