2016年10月24日
その物体は突如月の裏側から出現した。
その物体は楕円状の球体で巨大な卵のような形をしており、頂点部分にポッカリと大きな穴があいている。
その大きさは推定直径300キロ程、北海道より少し大きめのサイズと計測された。
2016年11月1日
月の裏側から出現したその物体は、地球と月との中間地点で移動を停止し、前面の空洞部分から無数の楕円状の物体を放出した。
その楕円状の物体は形はほとんど同じ卵型だが、そのサイズは500m程のものから3キロ程あるものまで大小さまざまあった。
天体観測にてその現状を把握できた一部の人間は、地下シェルターへ避難する者、軍事基地に逃げ込むもの、自殺するものなどがいた。
その一部がネットを通じ世界中に情報を拡散したことから世界中がパニック状態となり、都市部を中心とした各地で暴動が起こり地球上のいたるところが修羅場と化した。
悲しいかな人間は外的侵略者に対してではなく、その攻撃力を自分達同族に対し向ける愚行を犯したのである。
2016年11月3日
その物体は大気圏上で世界各地に分散し次々と降下着陸した。
着陸する場所は、人間が「パワースポット」と呼んでいる場所を選んでいるようだった。
後に解かった事だが、パワースポットは地脈に流れるパワーの湧き出る場所であり、地脈を通じ世界中に繋がっている場所である。
地脈とは龍脈とも呼ばれ地球の血流であり、そこに流れるのは地球自体の生命力(エナジー)である。
パワースポットから湧き出るエナジーは地球自体の生命力に加え、それぞれの地域に起因するエネルギーが加わり、場所毎で発生しているエナジーの質が違うと言う事も後に解かる事である。
2016年11月4日
その物体は世界中のパワースポットに降り立ち、後に「卵大樹」と呼ばれる巨大な木のような形をした造形物を植える形で地面に設定した。
世界中の首脳たちは、さまざまな手法でこの物体達に対し交信を試みたが物体からの返答を得る事はできなかった。
各地で降臨物を囲むように配置された軍隊は上層部からの指示を待ち臨戦態勢で待機していた。
その中で、メキシコのテオティワカンに配属されたばかりの新兵が、造形物のあまりの大きさに圧倒され恐怖のあまり銃の引き金を引いてしまった。
次の瞬間、その新兵がいた場所に卵型の物体から一筋の光が照射され、一瞬にして半透明の固形物に覆われた塊になってしまった。
その姿を見た他の兵士たちは攻撃しようと意識した時点で塊にされてしまった。
それがきっかけとなり、世界各地で地上に降り立った卵型の物体に対し攻撃が行われた。
「愚の115DAY」と呼ばれる日である。
最新兵器と呼ばれる武器も全く効果なく、攻撃を試みたものはすべて塊に覆われその活動を止めた。
敵意や攻撃をしようと意識したものが狙われており、同じ兵士で武器を持っていても攻撃意思のないものは塊にされる事がなかった。
人間は武器を捨て敗退を余儀なくされた。
2016年11月14日
そして、人間の無駄なあがきが1週間ほどで沈静化されたのち、全世界の人々に向けて脳に直接「言葉」による問いかけが行われた。
「われわれは敵ではない、共存を提案する」
ロボエッグ達の初めての言葉であった。







